米長邦雄日本将棋連盟会長との対談(@中央公論)が公開されました。

現在発売中の「中央公論」誌上に掲載されている米長会長との対談が、ウェブ上でも読めるようになりました
幾度も繰り返し書いてきたように、米長さんは私の昔からの憧れの人であり、彼の著書「人間における勝負の研究」は、私にとってバイブルと言うべき有り難い本でした。稀代の大人物とのこうした対談が実現したことは、私にとっての大きな喜びで、生涯の記念となるものです。
将棋の海外伝播などについてのブログで、「将棋興行師宣言」なんて評されていますが、そんなそんな、おこがましい限りです。
ただ、清水あから戦に企業スポンサーがつかなかったりといった現状を知るにつけ、将棋界にはプロデューサーというかプロモーター的な役割を果たす人が、米長さん以外にいなさすぎるなあ、という問題意識は強く持っていて、自分にできる限りのことはしたいと考えているので、対談からそんな私の気持ちが垣間見えたのかもしれません。
「どうして羽生さんだけが、そんなに強いんですか?」の中でも書きましたが、将棋の全体を愛している将棋ファンは数多いわけです。でも、その「愛すべき全体」を未来に向けて存続させていくことはそんなに簡単なことではありませんので、私も自分にできることは少しずつでもしていきたいと思っています。たとえば十代後半から二十代前半の若者が、厳しい厳しい三段リーグを抜けてプロ棋士になるわけですが、その先にある「棋士という職業」の未来が明るいものであってほしい。そう願う将棋ファンは多いはずです。
この本の書名を、一部の将棋ファンからのご批判は承知の上であえてこう付けたのも、たとえば企業スポンサーを獲得しようと思ったときに、将棋を知らない意志決定者に「将棋の魅力」「棋士の魅力」を伝える取っ掛かりをどう作ったらいいのかという、私にとって最優先の問題意識に対しても役に立つような本(パッケージ)にしたい、と思ったというのも、その理由の一つとして大きかったのでした。