金子金五郎語録(2)

将棋というものは、二人の別々な力がぶつかる場所である。だが、それだけのものではなくて、二人の将棋が一体のものとなって、とけあっている一つの有機体でもある。名局とは、その極致の謂(いい)であって、音楽にたとえれば、最高の人々によってなされる交響楽のようなものであろう。(「近代将棋」第十九巻一号(昭和43年1月号))